エコロ・ジャパン制作

持続可能な社会のためのグリーン・マニフェスト

 

 

環境・エネルギー政策編(決定版)

 

 

2007年3月20日改訂、5月再改訂予定

持続可能な社会のための政策ネットワーク「エコロ・ジャパン」作成

 

 

 

 

■グリーン・マニフェスト【総論】

 

 

「環境と経済との両立」「持続可能な社会」といった言葉は昨今よく耳にされるが、

一方で大量生産・大量消費社会のライフスタイルを維持しつつ、他方でエコロジーと

エコノミーの両立は同時になし得ない。共通原則や規制ルールを必要最小限に抑え、

市場経済の成り行きに任せるという規制緩和主義は環境保護よりも経済成長を優先

するためのものであり、環境問題の抜本的解決にはならない。したがって、環境に

配慮しない経済活動・技術・エネルギー開発に対してはそのレベルに応じた活動規制を

設けるとともに、環境に配慮した産業活動に対しては最大限のインセンティブを与える

といった制度的動機づけが不可欠となる。
 上記を達成するための根本原則と基本政策方針を以下に示す。 

 

 

■基本原則

  

  ア)サステナビリティ(持続可能性)原則:

長期的視点(50−100年単位)における社会の変化を想定した

    バックキャスティングによる政策形成を行なう。

イ)エコロジー原則:

 経済活動の発展よりも地球上の生命・生態系の保護および最大限の配慮を

優先する政策形成を行なう。 

  ウ)予防原則:

有害性が科学的に十分に立証されていなくても、合理的な懸念される理由が

あれば、事前に予防措置をとる政策形成を行なう。

エ)公平性の原則:

    各自の負担能力に応じた負担配分を反映させる政策形成を行なう。

オ)透明性の原則:

あらゆる審議・決定過程や関連する情報は公開を原則として透明性を担保する。

カ)市民参加の原則:

あらゆる審議・決定過程における計画段階からの一般市民の参加システムを

形成する。

キ)生産者責任負担の原則:

人体や生態系に対する負荷が懸念される財やサービスに対しては第一原因となる

行為者(製造事業者、生産者)が責任を負う。

ク)最大利益優先の原則:

  当該テーマに複数のステークホルダー間での利害が絡み合った場合は、より広い範囲

の社会的利益(最大利益は地球規模の生活者全体・生態系の利益=地球公共益)を

優先する政策形成を行なう。

 

上記の観点にもとづき、環境・エネルギー分野では以下の提言を行う。

  

 

 

■基本政策方針

 

 

 1.地球温暖化の防止

地球温暖化問題は深刻である。2007年2月に公表されたIPCC第4次報告

の危機的内容を受け、長期気温上昇限度の目標値を産業革命以前から2

未満とすることを前提に、わが国の温暖化防止対策が講じられる必要がある。

とりわけ2005年度ベースのわが国の温室効果ガス排出量はCO2換算で

136400万トンとなり、90年比の8.1%増という結果である。これは

わが国に課せられた京都議定書の第一約束期間の達成目標(90年比での温室

効果ガス6%削減)に向けて14.1%の削減が必要という計算になる。

当面この対策に向けて、さらに第二約束期間とそれ以降の目標達成に向けて、

あらゆるポリシー・ミックス施策が他の温暖化対策関連法の制定とのパッケージ

で実施されねばならない。言い換えれば温暖化対策、自然エネルギー促進政策、

電力自由化政策、廃棄物処理政策はすべて連動して同時実施されなければ、

環境負荷的にも財政的にも効果を果たすとはいえない。※

 

 

2.エネルギー政策の抜本的転換

石油・天然ガス・石炭などの化石燃料は埋蔵量が有限であり、その枯渇が予測

されている。また化石資源の収奪や新規開発をめぐって国際間の競争も激化している。

石油が高騰しつづけ、近年中にピークオイル時代を迎えるとも予測されている。

さらに、化石燃料は燃やすとCO2を排出するため、地球温暖化にも直接的に影響を

及ぼす。他方で原子力発電は安全性の問題から、脱却が望まれている。このような

背景から、エネルギーの消費量を減らす努力をすること、化石燃料の使用量を減らし、

環境負荷の少ない自然エネルギーに代替していくことが必要である。そのため省エネ

が促進される基盤作り、自然エネルギー普及に関する高い目標値の設定、大規模な

自然エネルギー電力市場の発展と新規事業者への支援、ならびに研究開発の促進政策

を進める。

 

 

3.廃棄物の発生抑制と拡大生産者責任の徹底化

産業および一般廃棄物の増加と処理の困難性は年々深刻な社会問題となっている。

不法投棄・廃棄の問題、埋立て・焼却による新たな公害問題の発生も後をたたない。

自治体における廃棄物処理費用の負担増も深刻な問題である。これらに対処する

ため、拡大生産者責任(EPR)発生抑制のための予防原則の徹底が必要である。 

 

 

 4.化学物質の管理と有害物質の撤廃、規制の厳格化

 

5.公共事業に対する情報公開や計画段階からの参加義務づけ

 

6.「食の安全」および食糧自給率向上政策の抜本的促進

 

 

 

 

 

【持続可能な社会のためのグリーン・マニフェスト 環境&エネルギー政策編の骨子】

 

1【規制・義務づけ政策】

A 温室効果ガス削減のため「地球温暖化対策基金」(地球救済基金)として環境税を2008年から

導入し、税収を温暖化対策および福祉目的(消費税の一部)に充当する。

B 現行の道路特定財源を「環境税」として一括し、福祉目的税化(社会保障費に充当)する。

C 全廃棄物の段階的総量規制を自治体ごとに割当てを決めて実施する。

D 「化審法」に代わる「有害化学物質審査規制法」を制定し、化学物質の使用・生産基準を抜本的に

厳格化し、チェックリストおよび検証による審査体制を確立する。

E 「年金法」(国民年金法、厚生年金保険法)を改正し、年金積立金の運用先について環境や社会的

公正に配慮したファンドへの優先的投資を義務づける。

「遺伝子組み換え食品規制法」を制定し、輸入や国内商品における遺伝子組み換え商品の制限および

  禁止を義務づける。

H 海外において原生林などの自然破壊事業に携わっている企業に対するペナルティや活動の制限・禁止

を法的に義務づける(環境犯罪防止法の制定)とともに、当該多国籍企業の輸入製品に対する

法的規制や制裁措置を実施する。

 

2【促進・インセンティブ政策】

A 2025年までに20%、2050年までに40%の発電量を自然エネルギーで賄えるよう数値目標

設定し、その実現に向けて全力をあげる。

「自然エネルギー促進法」を制定し、電力会社に対するを自然エネルギーの固定価格買取りを

義務づける

C 電力市場自由化を早急に実現させ、自然エネルギー促進に向けてのインセンティブを図る。

D 廃棄物に関する拡大生産者責任、予防原則を徹底化させ、リサイクル費用を製造者負担とする。

E 環境改善達成度の格付け評価、温暖化削減目標の割当てなど、自治体に対する環境改善のインセン

ティブを制度的に促進させる。

F 食糧自給率の向上政策の一環として「有機農業促進法」を制定し、2030年までに国内生産農産物の

10%〜15%を有機農産物とする目標を設定し実行する。

「持続可能な開発のための教育(ESD)推進法」を制定し、人権教育推進法、環境教育推進法との

  整合性を図るとともに、経済的グローバリゼーションが地球上に及ぼす貧困や人権侵害、環境破壊

  についての根本的視点を盛り込む。

H エネルギー自給率を2025年までに30%、2050年までに50%とし、その内訳を地熱や水力も

含めた自然エネルギー由来のものとするよう取組む。

I 食糧自給率を2030年までに50%、2050年までに75%という数値目標を設定し、その3分の2

以上を有機農業由来のものにするよう取組む。

 

 

 

 

 

■グリーン・マニフェスト【各論】

 

【温暖化防止のための施策(地球温暖化対策推進大綱の見直しなど)】

@ 2020年までに90年比で10%、2030年までに20%、2050年までに40%の

温室効果ガス削減達成目標を掲げ、その完全達成に向けて全力をあげ取組む。

  部門別、地域・都市単位、事業所単位の「温室効果ガス削減」のための数値目標を

早急に試算し、自治体および事業所毎の削減目標の早期達成とペナルティを義務

づける。※

 

A「地球温暖化対策基金」(地球救済基金)として以下の諸税を国レベルで実施する※

(1)炭素税(地球救済基金A):

初年度(2008年度)より1トンあたり5000円の炭素税を上流課税※として導入し、税収(年間1.5兆円強)を当面10年間、すべて温暖化対策目的に充当するとともに※さらに同額(5000円)の炭素税を下流課税し、税収はすべて年金保険料に充当する。(初年度で総額1万円/トン、その後段階的に引き上げ)

   課税対象は、化石燃料(石炭・石油・天然ガス等)起源の二酸化炭素とする。

(2)国による自治体独自の課税審査基準を緩和し、住民税や従来の間接税に代わる

自治体独自の環境税導入を促進させる。(地方税の環境税による自主財源化を促す)

(3)メタン税(CH4)およびその他の温室効果ガスについても、「基金B」とし、

炭素税導入後に導入目標を設定し、炭素税(基金A)に合算して徴収する。

 

B 環境税導入にともなう国内経済への影響対策として、同時に以下の調整を行う。

地球温暖化対策推進法の改正など)
(1)炭素税の徴収額の半分は年金保険料に充当し、企業の保険料負担コストの軽減と

同時に雇用促進のインセンティブを上げる。
(2)炭素税、その他の温室効果ガス課税については、2年おきに段階的に引き上げる。
(3)引き上げ幅については前年度までの温室効果ガス削減実績を踏まえて調整する。
(4)自然エネルギー(発電)発生時の「温室効果ガス」については課税対象外とする。

その他リデュース、リサイクル産業部門における発生ガスに対しても個別に

軽減措置を講ずる。

D 政令指定都市、とりわけ人口100万以上の大都市、車の集中する交通要所における

自治体ロード・プライシングを義務づける。税収は自治体が徴収・負担する介護保険料

もしくは国民健康保険料に充当する。

E     大都市および計画中の公共交通システムをLRTなどの環境に配慮したものに改善し、

総合的なTDM(交通需要マネジメント)施策を促す。   

F 地球規模の国際炭素税の導入および環境負荷と関連付けた、多国籍企業に対する

国際規模での排出量報告書の提出を義務づけるとともに、京都議定書に批准しない

先進諸国への罰則規定を導入するよう提案する。※

G 2015年までに代替フロン製品(スプレー、断熱材、冷蔵庫など)の使用・製造を

全面禁止する。

H      現在増設途上にある石炭火力発電所の削減・増設禁止をするとともに、当面は

天然ガスへのベース電源シフトを行う。

I 削減達成目標については、発生抑制(消費者ではなく、製造者からの抑制)として

産業部門およびそれにともなう運輸・業務部門の削減を強化する。※

J 長距離トラック輸送に対する累進的燃料課税(走行距離・従量別)を導入し、

サービス料金に上乗せさせる。

K 世界全体のCO2排出量の4%を占めるとされる航空燃料(バンカーオイル)に

対する燃料使用量に比例した課税を導入する。

 

 

 

【税のグリーン化(関連税制の環境目的税化)政策】

@     道路特定財源としての(道路整備目的に充当されている)既存のガソリン税、軽油引取税、

石油ガス税、自動車関連諸税(年間計4兆円強)は主に福祉目的税として社会保障費

(国民健康保険、介護保険料などの掛金への充当)ならびに自然エネルギー促進予算に

充てる。下流課税方式と税額は据え置く。

 A 農薬課税についても環境目的税化し、社会保障費に充当させる。

B 省庁を跨いだ「グリーン税制委員会」を設置し、税のグリーン化・環境目的税化を推進する。

C 自然エネルギー発電、低公害車、省エネならびに熱効率の高い製品に対しては非課税とする。

 

【自然エネルギー促進政策】

@     2010年までに総発電量の5%(約500kw/h)を自然エネルギーで賄い、その後5年ごとに

目標値を5%ずつ引き上げ、2020年に20%(約2千億kw/h)を目標に設定する。※

A 2050年に総発電量の50%を自然エネルギーで賄う。さらにその主力となる太陽光発電、

風力発電、バイオマス発電、小規模水力発電に対する発電量目標数値を設定する。※

B 現行の新エネ特措法(RPS法)を全面改訂し、「自然エネルギー促進法」を制定し、

電力会社に対し自然エネルギーの固定価格買取り義務を課す。

C 自然エネルギーに対する政府予算助成枠を大幅に増やす。(最低1兆円規模=H18年度

予算ベースの7倍程度に)※
D 地域における自然エネルギーによる小規模発電の促進を促すため、自治体主導による

地方税の軽減措置や小規模助成金制度を促進させる。

E     輸入バイオマス由来の原材料については、原産地の環境破壊・生態系破壊を考慮し、

環境負荷につながらない商品のみを生産・輸入許可する。

 

【原子力政策】※

@ バックエンド総費用約19兆円と試算された、青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設

費用負担の総合的見直しを、再処理稼働取りやめ(使用済み核燃料の直接的地層処分)

も含め再検討する。

A 原発に関わる全てのコスト、および過去に発生した事故などの全情報を公開する。※

B 資源エネルギー庁の原子力関連予算を見直し、特別会計の「電源開発促進税」(百KW

あたり44.5円)を廃止し、放射性廃棄物処理費用に回す。

 

【自然エネルギー促進のための電力自由化】

@ 「電気事業法」を改正し、完全競争入札制度、発電・送電・配電事業の経営・会計分離

明記する。※

A 電力事業の寡占化を維持する電気料金制度の「総括原価方式」を一掃し、競争価格方式

プライスキャップ制収入キャップ制デマンド料金制度などのうち適当なものを導入する。

(複数選択可)

B 賃貸料を電力会社が独占している送電線については、すべて第三者機関かNPOの管理、

または国有化する。※

C 電力自由化に伴う廃棄物発電および化石燃料エネルギーによる発電量を発電事業者レベルで

規制する。

D 小売電力自由化の開放度については、年毎に段階的数値目標を設定し、開放義務を政令で

指定する。

E 小口電力需要家へのインセンティブを喚起するため、ロード・プロファイリング義務や

割引料金制度などの適用を検討する。

 

【省エネ促進政策(省エネ法の改正など)】

@ 自治体ごとの家庭・オフィス・輸送・産業部門の年次省エネ目標(前年度比3%減)

を設定し、毎年結果を公表する。3ヵ年連続以上達成できなかった場合、自治体は

当該単位に対して罰則規定として上乗せ課税を設置できる権利を得られるようにする。

3ヵ年以上連続で達成できなかった当該業者に対しては、国または管轄自治体が

罰則規定として数値に比例した課徴金を課することができるようにする。※

(省エネには化石燃料消費、電力消費、ガス消費、水道消費量の削減が含まれる)

A 業務用自動車、エアコンを優先対象とした省エネルギー製品、熱効率の高い製品への

課税緩和と、「省エネ」ラベル表示の義務づけを行う。※

@      新設の大型公共施設、産業施設は省エネルギー技術の導入を義務付ける。既存の施設に

ついては、その第一段階として、省エネルギー診断を実施することを義務付ける。

C 国と自治体との連携により、電力会社へDMS(デマンドサイドマネージメント)

完全導入を促進する。※

D 国と自治体との連携により、民生部門、一般家庭における省エネルギーの推進を図る。

環境家計簿HEMSなどの早期普及など)※

E 省エネ住宅促進政策として、住宅・建築物の省エネ基準の義務化を行う。さらに家電など

電気機器の省エネ基準の強化と対象拡大を行う。

 

【資源管理政策(廃掃法の改正など)】

@ 拡大生産者責任(EPR)を個別政策にも反映させるため、発生抑制>排出抑制

3Rにおけるリデュース>リユース>リサイクルの優先順位を明確化するともに、

それぞれにつき目標数値の試算を行い、有価証券報告書での結果の情報公開を

義務づける。

A 一般廃棄物と産業廃棄物の区分を排出者別から発生物別へと見直し、事業者に対する

新製品情報提供や事前承認の義務づけ、有害物質を含む販売禁止品目の規定を追加する。※

B 製造者の廃棄物引取り義務づけ、リサイクル製品の規格化、水源地での廃棄物処理施設の

立地基準を明確化し、水源地での立地規制を具体化させる。※

C 産業廃棄物の不法投機や不適切処理については「環境犯罪」とし罰則を強化する。※

D 温暖化につながる温室効果ガスに対する排出諸課税※、NOx課徴金、塩化ビニルおよび

アルミ製品を含む包装税、電池課税、廃水処理税、埋立税等の廃棄物関連課税などを

全国一律料金で随時導入を検討し、税収は優良企業に対する環境税の軽減や補助金

充当などの、さらなる環境対策に充当する。

 

【3R促進政策(現行リサイクル法の改正)】

@ ワンウェイ容器へのデポジット制度を義務づける。アルミ・スチール缶、ペットボトル、

プラスチック容器等については1個あたり20〜50円程度のデポジットを上乗せする

(製造事業者、製品によって差別化が図られないよう従量制で全国一律料金にする)。 

A 「容器包装リサイクル法」の対象品目の収集・分別・保管に掛かる費用を製造事業者

負担とし、販売価格に上乗せする。※

B レジ袋については1袋あたり20円程度のレジ袋税を購入代金に上乗せして徴収する。

C 容器の製造事業者に対し、ペットボトル、その他のプラスチック容器、アルミ、

スチール缶などワンウェイ容器の製品生産量を2008年より年単位で順次段階的削減

(年5〜10%程度)するための遵守義務率を設定・年毎に更新し、違反者に対して

は容器・従量ごとの課徴金を課す。※

すべてのワンウェイ容器については、15年後に生産ゼロをめざす。

D 現行の「家電リサイクル法」の対象品目を拡大するとともに、発生抑制EPR

観点から、処理費用をすべて製造事業者負担とし、販売価格に上乗せする。※

E プラスチック製品、石油製品すべての商品リストを作成・公表し、2008年より

段階的に環境に配慮した代替製品への転換を製造事業者に対して促す。

 

【環境アセスメント施策(環境影響評価法の改正、SEAへの反映など)】

@ すべての大規模公共事業に対し、現行の環境アセスメント制度について、以下の点を

改善する。

 

 (1)事業者や行政ではなく第三者(中立)機関による調査・予測・影響評価を義務づける。

 (2)事業者に複数の事業代替案の提出を義務づける。

 (3)行政による政策立案段階からの住民参加を義務づける。

 (4)評価委員会を設置し、政府機関職員・専門家・自治体職員・地域住民が公正に

参加することを法的規定として定める。

 (5)事業中および事業後の事後評価を公表することを義務づける。

 (6)事業中・事後評価結果に対する厳格な罰則規定(刑事罰対象も含めた)を設定する。 

 

A      公的機関に対する環境および社会的責任に対する改善努力に対する評価(格付け)制度を

確立し、全省庁・政府機関・自治体に「環境&CSR(サステナブル)報告書」の提出を

義務づけ、自治体に対しては評価結果を当該自治体の地方交付税の配分額などに反映させ

るとともに、一定の評価を下回った省庁・政府機関に対しては次年度の予算枠の削減措置

を行なう。

 

 

【備考・補足事項一覧】

 

1.温暖化防止政策

 

     基本方針・補足1

   京都メカニズムにおけるCDM事業森林吸収率については、現実的な国内の排出量の削減に結びつかないため、政策提言からは外した。

国内排出権取引(キャップ・アンド・トレード型)市場の開設については財源や割当方式、費用調達方法に関する議論が未だ不明瞭のままであり、国民に対する一般税負担として徴収される懸念を免れ得ないことから、同時に国内CO2削減の直接的インセンティブの契機とはなりにくいという問題点があるため、提案としては見送る。

他方で最近の環境省発表の試算のとおり、京都議定書にある2012年までの日本の割当て枠である6%削減目標は達成できそうにない見込みであるとのことから、海外からの国際排出枠購入は避けられず、その財源や費用調達手段についてはきちんとした施策が必要となる。

したがって京都議定書数値目標達成の施策としては、(1)炭素税による国内対策、(2)CDMによる排出枠取得、(3)海外からの排出権購入という優先順位をつけるものとする。ただし(3)の場合、国で排出権をプール、管理するか議論が必要である。あるいは民間各業界に削減責任をわりあてる方法で最終調整を民間に委ねるか、炭素税の増減で全体で調整するかも議論が必要である。

さらに削減量の割当方式についても、割当量の配分方法としてオークション方式をとるかベンチマーキング方式を採用するか、EUのようなグランドファザリング方式をとるか、さらにカナダのように独自の方式を採用するかなど議論が必要である。

 

※ 基本方針・補足2=長期的予測として、21世紀末までに1990年比の70〜90%のCO2削減を目標にする。(グローバル・グリーンズ憲章から引用)

※ 項目@・補足:いわゆる「京都U」の2012年以降の第2約束期間におけるわが国の削減目標としても

  同数値目標を提案する。 

※ 項目A・補足1:上記のうち(1)炭素税(2)温室効果ガス課税については、2年おきに段階的に引き上げる。引き上げ幅については前年度までの温室効果ガス削減実績を踏まえて調整する。

※ 項目A・補足2:本マニフェスト提言案としては、上流課税分1.5兆円の予算配分として、@民生・運輸・産業部門で対策が遅れている諸企業や諸産業部門への温暖化防止設備投資への補助金に1兆円、A公共交通システムをはじめとするTDM推進に5千億円の配分を検討。

 項目F・補足:グローバル・グリーンズ憲章の第3章より引用。

※ 項目H・補足

 項目I・補足:温暖化対策についても「リデュース」「EPR」原則を適用する方針。その結果波及的に消費者の消費抑制につながるという考え方を採用する。

2005年度ベースの部門別のCO2排出量では、家庭部門が基準年比で37.4%増となっているが、家庭部門の総排出量は全体の14.5%(1億750万トン)であり、他部門と比較すると大規模かつ主要原因であるとはいえない。さらに産業部門が全体の3分の1(46600万トン)、運輸部門が2億5700万トンで全体の約2割相当、業務・オフィス部門も同様に約2割に当たる2億3400万トンとなっており、これらの大半が産業活動によるものであることを考えると、家庭よりも産業界における排出削減への努力義務は依然大きいものがあるといわざるをえない。http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=7603

さらに直接排出の事業所単位でのデータによれば、大口事業所(工場など)の上位100だけで日本全体の4分の1強を占めることが示され、排出源の偏向が指摘されている。

  

 

2.自然エネルギー促進政策

 

※ 項目@・補足1:自然エネルギーに対する助成金については、研究開発、及び設置初期段階での設備投資のみを対象とし、その後は固定価格買取り制度により対応できるようにする。

 項目@・補足2:将来のエネルギー需要予測については、現状の電力消費量ベースを基礎にしたシナリオではなく、熱効率の上昇や省エネ効果を計算に入れたパワースイッチシナリオを採用する。

※ 項目@・補足3:現在の経済産業省の目標は2010年までに総発電量の3%

(122億KW/h/1,910万Kl)という数値目標であるが、これは諸外国の数値目標や京都議定書の目標達成に向けてあまりにも低い数値といわざるをえない。また有毒化学物質の燃焼を伴う廃棄物発電は極力回避し、太陽光・太陽熱・バイオマス・風力発電で9割程度の発電量を達成目標に据える必要がある。(地球温暖化対策推進大綱」等における自然エネルギーの数値目標の抜本的見直しの実施)

 【参考】http://www.jema-net.or.jp/Japanese/sinsyou/sinene/def_02.htm

     http://www.jpea.gr.jp/4/4-2-2.htm

 ※ 項目A・補足:RPS法の問題点については、廃棄物発電の抑制規定がないこと、移行措置(系統連に対する補助金支給など)のないこと、エネルギー別達成目標量の明記がないこと(総量目標のみ)、などの結果から自然エネルギー市場の進出が大きく妨げられることにある。   

※ 項目C・補足

  【参考】http://www.mitsubishielectric.co.jp/shoene/yosan/index_b.html

※ 新エネルギーにも含まれている有毒化学物質の燃焼につながる可能性のある廃棄物発電は、段階的に全廃する。(ただしバイオマス由来の廃棄物は対象外)

※ 現在「太陽熱温水器」を利用している家庭は全国で640万台に達しており(価格は2065万円)、

今後もさらに大きな需要予測が見込まれる。

  http://www.nef.or.jp/solarthermal/joukyou01.html

 

3.原子力政策

 

 ※ 項目B・補足:原発の建設から廃炉・廃棄物処理まで全ての行程を考慮し、火力発電所と同じ位のCO2を排出するシミュレーションを情報公開するとともに、温暖化対策の観点からの矛盾を生じさせないように配慮する。

※ 原子力については以下のような問題点が山積しており、持続可能なエネルギー、自然エネルギー、

地球温暖化対策とはなりえないため、促進対象からは外す。
・日常的に頻発する放射能漏れや小規模火災事故、運転停止事故。
・パイプや炉心シュラウドなどの機器のひび割れ・破損などの多発。
・事故の虚偽報告や隠蔽など度重なる情報公開の不透明性。
・地震・テロ攻撃を契機とする大災害の可能性。
・運転維持費・修繕費などの高い運転コストやバックアップ電源(火力・揚水発電併設)の必要性。
・僻地における建設による送電ロス(8〜10%)
・高額なバックエンド費用(放射性廃棄物処理費・使用済み核燃料再処理費用・廃炉費等)。
・放射性廃棄物や廃炉を安全に処理できる技術の未確立(将来に問題を残す)。
・発電所勤労者の日常的な放射線被爆。      

・発電量の1万倍以上に及ぶと同時に、海水の温暖化に甚大な影響を与える再利用不能な廃熱

温廃水)による海水の温暖化や汚染への影響。
      
・発電所より大気に放出される放射能による汚染(低放射量被爆の影響が確認されていないこと)。
      
・鉱物資源であるウラン自体の採掘限界量は石油以下であり、将来世代に向けての持続可能なエネル   

ギーといえない点。
・ウランは、ほとんどが輸入でエネルギーの自給自足にならない点。
・軍事利用へ転換される危険性。
・「夢の発電」と言われた核融合の可能性が非現実的になりつつあるという事実。

 

4.省エネ促進政策

 

※ 項目@・補足:省エネラベルは、低公害車表示のように★★★★★のような分かりやすい表示を行う。

※ 項目B・補足:電力会社へのDSM導入を促す施策として、欧米で実施されている「DSM資産」の事後補償制度、DSM投資に対する付加を与える「DSMボーナス法」「DSM利益配分法」などの法的整備をおこなう。

  ここでいうDSMとは、電力ピークのシフトやカットを行い負荷の平準化を図るのみにとどまらず、消費者対象のエネルギー監査やアドバイス、エネルギー効率の優れた電気製品の製造や購入に際しての助成制度、供給遮断契約といった各種制度の実施を含む。

※ 項目C・補足:省エネルギー技術については、ESCOコージェネレーションカスケード利用システムヒートポンプシステムコンバインド・サイクル発電等を採用する。

 

5.資源管理政策

 

※ 項目A・補足:ノルウェー(製品管理法)、スウェーデン(製造責任政令)においては、有害廃棄物についての「予防原則」を徹底させるため、事業者への情報提供・事前承認の義務づけ・販売禁止品目の規定を実施している。

 ※ 項目C・補足:ノルウェーでは、古紙・包装物・タイヤ・電子部品などについて、製造者が無償回収義務・負担を負うシステムを採用している。

※ 項目D・補足:危険廃棄物・有毒廃棄物の取扱規制を強化するとともに、汚染値違反・リサイクル義務違反、不法廃棄物の移動・処分施設への不法投棄・不法運搬投棄などについては「環境犯罪」であることを明文化し、賠償責任のみならず刑事責任対象として追及できるようにする。

※ 項目E・補足1:温室効果ガス課税については、石油・天然ガス生産時、あるいは埋立地・炭鉱における発生メタン(CH4)への課税、一酸化二窒素(N2O)の発生増加の原因となる、化学肥料に含まれる硝酸(HNO3)への課税代替フロン製品製造業者に対する代替フロン(HFCPFC他)課税、排気その他へのイオウ(SO4)課税、半導体を除くSF6を含むマグネシウム製品への課税などを含む。

※ 項目E・補足2:廃水処理税については排水量や毒性に応じて段階的差別課税、地下水消費税については該当する全国各自治体を対象に実施を義務づけ、排水量に応じて差別課税を課す。

   ※  項目E・補足3:スウェーデンでは8794年に総計84万KtのCO2(排出量全体の19%)が減少したが、その6割が廃棄物への課税効果であったという結果が出ている。またノルウェーでは廃棄物課税効果により毎年3〜4%(30万トン)のCO2減少効果が出ている。

 

6.3R促進政策

 

 ※ 項目A・補足:回収・委託・分別・保管にかかるそれぞれの費用については実績値にもとづき、容器の種類と従量別にkg 単価を割り出し、全国一律で設定する。回収については特定の地域回収センター(民間出資機関もしくは自治体・事業者共同出資機関)もしくは業者指定の小売店・スーパーで取り扱えるようにする。

※ 項目C・補足:【参考】容器リサイクル法改正市民案

  http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/pt-chukan-matome040920.pdf

※ 項目D・補足:パソコンなどの電子機器、オーディオ製品、炊飯器やストーブ、コンロ、空気清浄機など多くの家電品目。ただし環境負荷の少ない家電製品(ノンフロン冷蔵庫など)に対しては課税軽減対象とするなどのインセンティブ措置を盛り込む。処理費用については材質・従量別に全国一律で設定する。

 

 

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