2004 参院選・
各政党マニフェストの「緑の政策項目」を比較する
緑の政策NPOネットワーク「エコロ・ジャパン」編
「政権交代」「マニフェスト」という言葉が飛び交った前回の衆院選を受け、今回は政策論争が下火になりがちな参議院選挙。
はたしてマニフェストの中身や意図は十分に有権者に伝わるのか?
ここでは、世界の「緑の政党(Green Party)」の政策スタンスに深く関わる、環境・人権・平和・民主主義という4つの主要な
「緑の政策項目」について、各政党の見解をマニフェストから抽出して整理してみた。
どの政党がもっとも「グリーン」度が高いか、または貴方自身が力を入れたい緑の政策に近いか、参考にしていただければ幸いである。
※表中、「みどり」とは「みどりの会議」(代表 中村敦夫・参議院議員)を指す。
1.【環境・エネルギー政策】
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低公害車の導入 |
ゴミ減量推進 |
自然エネルギー開発 |
廃棄物・リサイクル処理推進 |
環境税の導入 |
原子力政策 |
その他の政策 |
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自民 |
● |
● |
● |
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推進 |
石油、天然ガスなどの化石燃料の開発継続 |
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公明 |
● |
● |
● |
● |
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エコ産業の促進(70兆円規模、最大160万人雇用)など |
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民主 |
● |
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● |
● |
● |
監視継続 |
緑のダム育成(10年間で1000万ha規模) |
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社民 |
● |
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● |
●(3R原則化) |
● |
即中止 |
電力自由化、TDMの推進、CPRの義務づけ |
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共産 |
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● |
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● |
計画的縮小 |
EPRの義務づけ |
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みどり |
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● |
●(発生抑制政策を優先) |
● |
2030年代までに段階的に全廃 |
EPRの義務づけ、デポジット制度、LCA、ESCO、エコラベリング、公共交通整備の促進、ダイオキシン規制法制定、産廃Gメンなど |
■総評
各政党の今回のマニフェスト全体のバランス配分からみれば、環境・エネルギーや公共交通政策に2章分を割いている社民党や
みどりの会議を除き、環境・エネルギー政策に力点は置かれていない。さらに「地球温暖化防止策(温室効果ガス削減)」についても、
環境税の導入、自然エネルギーの推進というだけで、どの政党もその具体的手段や財源、用途には触れていない。
原子力政策においては、各政党の意見が分かれた。脱クルマ社会については社民党とみどりの会議が提唱しているのみ。
民主党は炭素税の導入を掲げる一方で、自動車関連税の軽減措置や高速道路の無料化を提唱しているので整合性に矛盾が生じている。
※(表中、3R=Reduce,
Reuse, Recycle の3原則、TDM=交通需要マネジメント=自動車運行規制や公共交通や路面電車などの
推進、推進、EPR=拡大生産者責任(事業者の汚染負担原則)を示す)
みどりの会議においては、3Rのうち発生抑制(Reduce, Reuse)を消費抑制(Recycle)に優先させるべきことを明示している他、
廃止対象となる原発や建設計画についても明示している。
2.【人権擁護政策】
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DV防止法改正 |
選択的夫婦別姓制度の導入 |
女性への差別解消政策 |
盗聴法について |
その他の政策 |
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自民 |
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公明 |
● |
● |
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民主 |
●(予算額明示) |
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見直し必要 |
障害者・年齢差別禁止法などの制定、住基ネット、個人情報保護法の改正、外国籍対象者の住民票登録の実現など |
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社民 |
● |
● |
● |
廃止 |
人権省、人権委員会の設置、マイノリティ保護措置、代用監獄制度の廃止、死刑や拷問の禁止、クオータ制の導入、ジェンダーフリー政策の推進など |
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共産 |
● |
● |
● |
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パート労働法の改正、女性対象医療の改善 |
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みどり |
● |
● |
● |
廃止 |
自治体に子供の権利条例策定義務づけ、ジェンダーフリー政策推進、外国人女性や性同一性障害者に対する不利益をなくす法整備・犯罪被害者やセクハラ救済機関の設置など |
■総評
「人権」政策の場合、まず(女性、子供、労働現場、マイノリティなど対象を問わず)国際基準を達成しようと努力する条項が盛り込まれているか、また「差別解消」「人権保障」の対象がどの程度の広範囲をカヴァーしているか、という点に注目する必要がある。今回、自民党と旧保守新党からは関連政策は提出されなかった。 またDV防止政策については多くの政党が触れている一方で、世界最大数の問題である女性の差別撤廃を明確化している政党とそうでない政党とは二分されている。グローバル・グリーンズ(世界の緑)のスタンスは、この点では社民党、みどりの会議のマニフェストにある「マイノリティおよび女性の人権」尊重政策と共有点が多いといえる。
3.【平和・安全保障政策】
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日米同盟の維持・強化 |
ミサイル防衛力の強化 |
イラクへの自衛隊派遣 |
日米地位協定の見直し |
北朝鮮拉致問題の解決 |
その他の政策 |
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自民 |
● |
● |
●賛成 |
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● |
国連安保理常任理事国入りを推進、防衛省(国防省)の創設 |
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公明 |
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国際平和専門家の養成、ICC条約の批准促進、対人地雷除去の財政支援など |
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民主 |
● |
● |
×反対(国連PKOの枠組の下でなら賛成) |
●見直すべき |
● |
国連中心主義外交の強化 |
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社民 |
×(日米安保への依存度を軽減、米軍基地縮小) |
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×反対(人道支援に徹する) |
●抜本的に改訂 |
国交正常化を優先 |
非核不戦国家政策、人間の安全保障、自衛隊の縮小と専守防衛の徹底、国連改革、非核3原則の徹底など |
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共産 |
×(駐日米軍による軍事活動の縮小) |
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×反対(ただちに撤退) |
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6カ国協議を優先 |
米のミサイル防衛戦略への参加に反対 |
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みどり |
×(海兵隊の本土撤退と基地全面閉鎖、在日米軍の半減) |
×(取りやめ) |
×反対(ただちに撤退) |
●米軍施設周辺の住民に配慮し見直すべき |
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平和外交会議・国際平和庁の創設、東アジア軍縮会議の提唱、防衛費2兆円削減 |
■総評
平和外交の貢献姿勢の違いに注意したい。自民党、民主党については軍事力行使を含めた国際外交による貢献政策を推進する立場。
社民党、共産党、みどりの会議は軍事外交に強く反対。公明党はこの点を不問に付している。また自民党は、日米同盟を基本とする軍事による防衛力(ミサイル防衛強化、テロ対応特殊部隊の強化など)および防衛庁の省昇格を主張。民主党も批判的立場で日米同盟の発展と軍事防衛力の強化を主張。
以上に対し、社民党、共産党、みどりの会議は日米同盟への依存を脱却、駐日米軍をはじめとする予算・規模の縮小ないしは廃止を主張。「思いやり予算」については、社民党は極力縮小、共産党とみどりの会議は全面廃止。
イラクへの自衛隊派遣については、自民党は推進、公明党は不問(事実上与党の立場で賛成)、民主党、社民党、共産党、みどりの会議が反対。ただし民主党の場合はPKOとして自衛隊の派遣には賛成(保守新党と同じ立場)。さらに自民党と民主党は、日本の国連安保理の常任理事国入りを主張している。
4.【民主主義=市民参加政策】
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国民投票の実施 |
18歳からの参政権の実現 |
裁判員制度の導入 |
その他の政策 |
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自民 |
● |
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● |
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公明 |
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● |
● |
永住外国人の地方参政権付与 |
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民主 |
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● |
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NPO6割への財政支援 |
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社民 |
▲諮問的制度に賛成(憲法改正の投票には反対) |
● |
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住民投票制度の一律制度化、地方議会の民主的改革、外国籍市民への地方参政権付与、政策の市民による行政評価など |
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共産 |
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学校への市民参加(教育委員会の改革、子供の意見表明権、学校運営への参加など) |
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みどり |
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● |
(行政訴訟に陪審員制度の導入) |
選挙制度改革(衆院選を比例区のみに、立候補者復職制度、供託金の廃止など)、住民投票法の制定など |
■総評
政策項目の多さは社民党が「自治」で、みどりの会議も「市民自治」に1章を割いており、両者の政策項目が際立っている。社民党についてはとりわけ「自治体議会改革」、みどりの会議については「選挙制度改革」について多くの提案がなされている。国民・住民投票については、自民党は憲法改正を前提として推進させる立場、社民党は諮問型の国民投票を主張憲法改正のための国民投票については反対、自治体の統一住民投票制度の制定には賛成。共産党は改憲のための国民投票には反対の立場。
参政権については、公明党が「永住外国人の地方参政権付与」に賛成、民主党・社民党・みどりの会議は「18歳以上に選挙権を拡大」、また社民党は「外国籍市民一般への地方参政権付与」に賛成。共産党は触れず。
裁判員制度については、自民党、公明党の両与党はいずれも明記しているが、なぜか野党のマニフェストには書かれていない。みどりの会議は全国一律の住民投票法を制定すべきという立場。
5.【農業・「食の安全」政策】
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食品安全委員会の改革 |
輸入農産物のチェック体制強化 |
有機栽培農業の促進 |
対GMO(遺伝子組み換え食品)政策 |
食料自給率の向上 |
その他の政策 |
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自民 |
● |
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● |
食育基本法の制定など |
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公明 |
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●(追跡調査システム導入) |
● |
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環境保全型営農への直接所得補償制度、地産地消、 5万人の新規就農青年を確保 |
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民主 |
●(予算明示) |
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● |
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社民 |
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